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2019.09.23

歌唱時の正しい姿勢って??①

どんなジャンルの歌を習得するときには、いつも考えなくてはいけないことの一つに姿勢があります。 姿勢は呼吸をコントロールするためにもっとも重要となる観点です。 歌にとって良い姿勢をとることができれば、もっと自由に、力みから解放される発声に近づくことできると言えます。 今回はその歌の姿勢についてお話ししようと思います。 歌唱時の姿勢について、様々な先生が言及してきたと思います。
(皆さんもよく注意されたことがあるでしょう!) 「猫背にならず、姿勢を正して、胸を張り、顎を引いて・・・」 もちろんこれは間違ってはいないのですが、かなり大雑把な説明です。 さて、歌を歌う時にはどのような姿勢で歌えばよいのでしょうか。 それは身体に負担をかけない姿勢です。(大雑把!とクレームが来そう・・) 「負担をかけない」というと、とてもリラックスした状態を連想してしまうかもしれません。 負担をかけないというのは、
無駄なところに力の入っていない、調和<バランス>のとれた状態であるということです。…
2019.09.23

歌唱時の正しい姿勢って??②

日常生活の中では思いがけず、身体に負担をかけてしまっていることが少なくありません。
それが続くと本来使わなければならない筋力が衰え、衰えた筋力をカバーするように骨盤が傾いたり、背骨が曲がったりしてしまうのです。
放置をすると身体の歪みになります。 歪み・・・と聞くとなんだか自分自身ではなかなか治せないんじゃないか、難しいのではないかと考えますが、 そもそも骨盤というのは不動関節と言って、その名の通り、動かない骨なのです。 ですから骨盤自体が歪むという訳ではありません。 骨盤周りの筋肉のバランスによって傾いてしまうので、弱い部分の筋力に目を向けてみると歪みというのは改善に導くことができます。 ほとんどの場合、身体の歪みは日常生活の中で起こります。なので大変個人差があります。 ですが、その中でも加齢や習慣によって起こりやすい、誰でも起こり得る症状をご紹介します。 イメージしてください。皆さんはリラックスした状態で椅子に腰かけています。 ある先生が、「さぁ、これから歌を歌います。皆さん姿勢を正しましょう」
と言ったら、皆さんの身体はどう動きますか? 骨盤を引き上げ、少しお腹が前にくるような形で、背骨を反らし、肩を後方に、胸を張って・・全体的にぐっと力が入るような姿勢になりませんか? これは外側から見れば、姿勢がよく見えます。 ですがこの姿勢は身体に負担のかかっている状態です。 胸を張りすぎると、つられてお腹がぽっこり出ます。反対に背中が反り過ぎていることがわかります。
これは反り腰と言って女性に多い症状です。 なぜ、女性に多いかというと、女性は身体が柔らかい方が多く、筋力が少ないため、楽な姿勢をとりやすくなってしまうのです。…
2019.09.23

歌唱時の正しい姿勢って??➂

反り腰で歌うとどのようなことが起こるのか・・・ まず初めに呼吸が浅くなりやすいです。
背中を反って、胸が上に持ち上がるため、胸式呼吸になりやすく、息を吸った時に肩のあたりに力が入ってしまいます。 第二に背中を柔らかく使うことが難しくなります。
背骨が固まりやすく、呼吸のコントロールがしづらくなります。 第三に腰痛の原因となります。
長時間、反り腰での歌の姿勢を続けていると、腰のあたりに違和感を覚えます。 
歌い終わった後、腰の張りや痛みを感じるようでしたら少し歌の姿勢を見直してみましょう。 骨盤をぐっと手で押えるようにして動きを確認してみましょう。 少し手でアシストしながら骨盤をゆっくり前後に動かします。 親指を前方に押し出していくと骨盤は前傾します。
今度はその逆、親指を引いて、人差し指を背骨の方に押し込むと骨盤は後傾します。 骨盤の前傾が反り腰の状態、骨盤の後傾が背中の丸まった猫背の状態と考えてみてください。 この動きを何度か繰り返してみて、自分の歌を歌う時の姿勢はどの骨盤の位置が近いか観察してみましょう。 本来の骨盤の正しい位置は前傾も後傾もしていない、まっすぐ骨盤が立った状態です。 まっすぐ骨盤を立たせるとこができるとじわじわとおへその下あたりの筋肉が使われている感覚になります。 その筋肉は本来、座った姿勢のときに使わなければならない筋肉です。 これまで骨盤を傾け、背中を反って胸を張ることによって無理に姿勢を正し、その使うべく筋肉を休めていました。
初めの方で述べたように、弱った筋肉をカバーしてしまっているのです。 この弱った筋力についてはまた次回お話ししようと思います。…
2019.07.23

~舌を自由に動かして歌ももっと自由に~

哺乳類の多くは四足歩行です。
私たち、人間は二足歩行をすることで大きな進歩を遂げました。 我々の祖先は四足歩行ですし、赤ちゃんを見ると四つん這いに動き回ります。 進化、成長し、二足歩行を得た私たちは脳の容量が増え、言語を話すようになりました。 それまで、あー、うーなどの母音しか発声できませんでしたが、重力によって咽頭腔が広がり、舌を自由に動かせる範囲が広がったことにより、子音を使った言語を使用することができるようになりました。
口の中で舌が当たる部分を変えたり、弾いたりして発音してみると舌の動きがよくわかります。 しかしながら二足歩行は様々な部分で思わぬ影響をもたらします。 そのうちの一つは舌の筋力の低下です。 今回は舌の筋力の低下による、発声の困難についてお話しします。 舌の筋力が弱くなっていると、歌を歌っていても、なんだか高音が思うように出せない。
喉に痛みがくる、大きい声が出しづらいなど、様々な悩みが増えていきます。 また、音楽のテンポ感ではなく、滑舌や言葉のさばきの遅さに悩んでいる方は一度、舌の筋力を疑ってみましょう。…
2019.07.23

正しい舌の位置とは・・・

舌は人間が活動するために重要な役割を担っています。
それは「呼吸」「食事」「言語」です。 よくお正月になると、おじいちゃん、お餅を喉に詰まらせないようにね!
というシーンがあります。
舌が思うように動かせないために、本来食道の方を通らなければいけないお餅が気管の方に入ってしまうというわけです。 舌というのは、このようにほとんどが筋肉でできていて鏡で見える所よりも根っこの部分が多く、重さは約200グラムあるそうです。 ところで正しい舌の位置、ご存知でしょうか。
口を閉じたときに、舌はどの場所にありますか? 上顎についている、上の歯についている、舌の歯についている、など様々かと思います。 正しい舌の位置は、 上の歯の少し後ろ、に舌の上側がべたっと付いた状態です。
上あごに隙間ができる、または下に下がっていると筋力が衰えています。 衰えてしまうと、自分の舌の重さを支えることができず、下に下がってしまう状態となります。 これを専門用語で低位舌【ていいぜつ】と言います。 普段姿勢が悪い、よく噛んで食事をしていない、あまり人と喋らない、スマートフォンをよく使用する、口呼吸である、 思い当たることがあれば、注意が必要です。…
2019.07.23
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舌と姿勢の関係~舌の筋力を衰えさせないために~

舌と姿勢、一見関係のないことのように思えます。 しかし、姿勢の歪みがある方に多いのがこの低位舌です。 自分では気がつきにくいかと思います。 猫背になると下顎が前方にでます。前方にでると顎の裏の筋肉が伸びます。
そうすると伸ばされた筋肉に顎が引っ張られ、舌が上顎に届かなくなってしまうのです。 逆に顎を引きすぎても舌は下がってしまいます。頭蓋骨から下顎にかけての筋肉が伸ばされ、さらに顎の裏を首に押し付けてしまうので舌が前に押し出されてしまいます。 また強張りやすく、歌を歌うときに空気を上手に取り込んだとしても、
吐き出すときに舌が邪魔をして上手く発声できないということが起こり得るのです。 普段の練習で舌の筋肉を鍛える方法としては、 舌の体操です。舌で歯の周りを舐めたり、舌を出したり、引っ込めたり、
ダイナミックに動かすことがポイントです。 皆さんはどのくらいの早さで たたたたた~
または
ららららら~ と言えますか? 口を大きく開けて、
あー、いー、うー、えー、おー
そして最後にしっかりと舌を前に、アッカンベーをする時のように動かしてみましょう。
(あごに痛みのない範囲で行ってくださいね)…
2019.05.29

【歌と自律神経】 歌は健康にいい!!・・・なぜ??

歌を歌うことが健康にいい、とよく耳にします。もちろん、ストレス発散になりますし、
歌は言葉を持っているので、唾液の分泌がよくなり、口をよく動かすので表情が明るくなります。身体を使って歌えたら運動にもなる、と様々な健康に良いとされる項目は挙がります。
 
しかしながら、なぜ歌をうたうことが、健康に直接関わりがある、ということに繋がるのでしょうか。
 
歌が健康に良いとされる大きな理由の一つは自律神経のバランスを整えることにあります。
 
ここで急に難しい言葉が入ってきました。
 
あまり聞きなじみのない言葉です。
「自律神経の乱れ」とすると少しイメージしやすいでしょうか。
 
自律神経というのは、簡単に言うと、
 
自分でコントロールできない神経です。
 
まだわかりづらいですね。ではその反対の神経は何でしょうか?
 
手や足を動かす運動神経、気持ちがいい、かゆいなどの感覚神経、
この二つを合わせた体性神経です。
この神経は外からの情報を取り入れる、という役割を持っています。
 
運動神経や、感覚神経がコントロールできる神経、と理解すると、
自律神経の役割はイメージしやすくなります。
 
 
次回は自律神経についてお話しします。…
2019.05.29

【歌と自律神経】 自分でコントロールできない、自律神経とは!

自律神経は、内臓や、血管などの動きをコントロールし、体内の環境を整える神経です。
自分の意志とは関係なく、独立して働いています。
食べたものを消化したり、汗をかいたりする時に意識している人はいないでしょう。
 
自律神経は2つの神経が交互に作用しています。
一つは交感神経、もう一つは副交感神経です。
 
この2つの神経のバランスが崩れた時、イライラする、過食、拒食、不眠、怠惰感など様々な体の異常が起こります。これが、自律神経のバランスが崩れた状態です。
 
交感神経は主に起きているときの神経です。
活発な活動に応じて全身に血液を送るために心臓を動かし、血圧も上昇します。
瞳(瞳孔)は拡大し、のどが渇きます。胃液の分泌は少なくなるので、食欲が落ちます。
膀胱、直腸周辺は緊張し、排せつがしにくかったり、便秘がちになります。
緊張やストレスを感じた時、上記のことを感じることが多いのではないでしょうか
 
副交感神経は主に寝ているときの神経、リラックスしているときの神経です。
呼吸は深く遅く、心臓はゆっくり動き、血圧は下降します。
瞳(瞳孔)は縮小し、唾液(消化液)は増え、胃液などの分泌は多くなり、食欲は増します。
膀胱、直腸周辺は緩み、排せつを促します。
 
 
交感神経がオンになっているとき、副交感神経はオフになっています。
日常生活の中でバランスよく引き出せるようにすることで、心と身体のバランスを整えることができます。
 
 
次回は歌との関係についてお話します。…
2019.05.29

【歌と自律神経】 自律神経を整えるには・・・

朝起きて、まだ眠かったり、身体がだるくてなかなか動けなかったりすることはありませんか?
そういう時は息をたくさん吸って、伸びをしてみましょう。
目が開いて、頭がすっきりします。
 
それとは逆に、夜眠れない時は吐く息を長く、ゆっくり深呼吸してみましょう。
身体がリラックスして眠りに入りやすくなります。
 
交感神経は吸う息に、副交感神経は吐く息に大きく関係しています。
 
自律神経を整えるのに有効な手段は、呼吸なのです。
 
さて、歌はどうでしょう。
 
呼吸なしには歌はうたえません。息を吸って、吸った息を吐いて音を出します。
意識して自律神経を整えるための呼吸法を行わなくても、
自然に歌をうたうことで吸う息と吐く息のバランスが均等に近づくのです。
 
その結果、自律神経も整い、心も身体も健康に導くことができると考えられるのです。
 
呼吸を大切に、意識しながら歌をうたうことで「歌は健康にいい」ということが自分の体で実感することができるでしょう。…